1.儲かる人気の理容店は儲からずに廃業する理容店と何が違うのか
(1)通いたくなる理容店
私は、月1回ペースで散髪をしますが、散髪してもらう店を毎月変えるようにしています。その理由は、毎月新たな店舗で散髪というサービスを受けることにより、新たな販促策やサービスの参考になる可能性があり、弊社がご支援する事業者様に対する有効なアドバイスに繋がることが期待できるためです。
よって、入店前に店構えなどを見て、参考になりそうであれば入店しますし、そうでないと判断した店舗には入店しないようにしていますが、毎月通いたくなる店を見つけてしまいました。今回のコラムでは、予約が取りにくく、女性客も多いこの店舗が顧客を引き寄せる理由、そしてその顛末を見ていきます。
(2)同店に通いたくなる理由
この理容店は、新規に開店してそれほど年数は経っておらず、店名や店構えが洒落ていたので入店してみました。店舗スタッフと何気ない会話をしながら散髪をしてもらっていると、オーナーと思しき方が現れ「あの、どこかでお会いしていませんか」と私に問いました。
どうだろう…と思い、記憶をたどっている私に対して、その方は「確か、ガソリンスタンドで働いていた方だと思うのですが」と発言しました。私はコンサルとして独立する2009年まで21年間ガソリンスタンドの現場にいましたから、このオーナーと思しき方と私は過去に間違いなくお会いしています。
話をしているうちに、私が22年前の独身時代に通っていた理容店の息子さんだということがわかりました。当時、父親の仕事を彼とその兄で手伝っていましたので、私のことを覚えており、私もそのことを思い出しました。そして彼の父親の亡き後、彼の兄が店舗を継いだので、店舗オーナーになりたかった彼は、新たに店舗を開店させることにした、ということでした。
このオーナーは、理容店は顧客との接触時間が長いから顧客のことを覚えやすいと言っていましたが、それを差し引いたとしても22年前の顧客を覚えているとは驚きです。記憶に残っているということは私に興味を持っていてくれたということであり、顧客は店舗側が自分のことを覚えていてくれると嬉しいものです。
そのようなオーナーの店舗ですから、相場よりも価格設定が若干高くとも顧客はひっきりなしに訪れますし、私も毎月は無理でしたが、比較的頻繁に同店を利用するようになりました。ところが以下に述べる理由で、しばらくして私は同店を利用しなくなるのです。
(3)同店に通わなくなった理由
同店で私の散髪を担当していたのは、このオーナーかスタッフA氏でしたが、多くの場合A氏が担当していました。ある日、このA氏との会話の中で、私が気になり始めていた話題になりました。それは、私の髪が細くなったため、つむじの面積が広くなっていないかという話です。
A氏はそれを認めるとも認めないともあやふやな言動の下で「でもお客さんは身長が高いから大丈夫、目立ちませんよ」と言ったのです。私の身長が20メートルもあれば話は別ですが、172㎝程度の身長ですから、薄くなったつむじが他人の目に入らないわけがありません。
翌月に行った別の店舗で同じことを相談したところ、髪が細くなった人が使うべきシャンプーやリンス、頭皮の美容液の紹介をしていただき、対応の違いに愕然とし、私はこちらの店舗を頻繁に利用することにしています。
私がA氏につむじの相談をした時に、適当なことを言って流すことなく、同店では対応ができなくても然るべき同業者や治療院を紹介してくれていたなら、私はまだ同店の顧客でいたと思います。儲かる人気の理容店と儲からずに廃業する理容店の違いは、顧客を覚えているかどうか、そして顧客の悩みに真摯に向き合うことができるかどうかだと感じた出来事でした。
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