「御社のウリは何ですか」と小規模事業者に質問をした時に、明確な内容を即答できる方は多くない印象ですが、小規模事業者の経営者は日々、現場の仕事に追われる方が多いからなのかもしれません。しかし、ふと立ち止まって「なぜお客様は自社を利用するのだろうか」「当社が競合よりも優れている点は何なのだろうか」と考えることは、今後の有効な戦略立案に役立つことが期待できます。
補助金を得ることは経営を良くする手段であって、目的ではないはずです。よって、補助金申請のための計画書づくりを通じて、自社の強みを認識し、今後の事業展開を検討することも事業拡大を目指すための重要なポイントと言えるでしょう。
これらを踏まえて今回は、下記サイトからダウンロードできる旅行業の計画書をもとに<経営計画>「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」の書き方を見ていきます。
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なお、当コラムの内容は2022年6月9日現在の情報に基づいています。また、今回見ていく「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」の記載例は以下となっており、弊社が加筆した下線や吹き出し部分は以降で解説していきます。
1.旅行業の計画書記載例から見る持続化補助金の採択ポイントPart3
旅行業の計画書記載例から見る持続化補助金の採択ポイントPart3(1)外部環境の変化を踏まえる
コロナ禍で需要が膨らんだものに、Zoomなどのオンラインミーティングツールがあります。コロナ前はオンラインミーティングツールのノウハウがあることを強みと認識するケースは多くなかったと思いますが、コロナ禍でそれが確固たる強みとなりました。
このように、外部環境の変化によって強みも変化するわけですが、上図記載例では、「団体の規模が縮小するにつれ利用するバスのサイズダウンも予想される」(黒線部分)という外部環境の変化が述べられており、それに基づく強みが記載されています。
外部環境に関しては「2.顧客ニーズと市場の動向」に記載はするわけですが、直接的に自社の強みと関連するものについては、今回見ている「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」欄に該当する強みと一緒に記載することで、内容が分かりやすくなるため、説得力がより高まると言えるでしょう。
旅行業の計画書記載例から見る持続化補助金の採択ポイントPart3(2)強みの要因を記載する
主張に対して根拠を示すことで説得力向上が期待できます。上図記載例では、企画力という強みの根拠として「小型バスに特化した小団体旅行の運行を開始以降、大型バスでは訪問できない観光地や飲食店を探索し顧客や地元の方々から穴場の情報を得ている」(赤線部分)という記述があります。
単に「企画力がある」ではなく、このように強みの要因を示して、説得力を高めていることも採択を引き寄せるポイントのひとつと言えるでしょう。
旅行業の計画書記載例から見る持続化補助金の採択ポイントPart3(3)モットーも強みとなり得る
信念がある人とない人を比べると、それがある人の方が力強さを感じさせるものです。同様に事業者としてモットーがあることは強みとして取り上げることが可能です。もっとも、そのモットーが多くの方に共感いただけることや、競合他社のモットーと差別性があることは言うまでもありません。
上図記載例では「顧客との人間関係を育むことを第一に心がけている」(青線部分)という記述があり、これが同社のモットーであることが読み取れます。
今回のコラムでは、小規模事業者持続化補助金の申請時に作成する<経営計画>「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」の書き方におけるポイントとして、(1)外部環境の変化を踏まえる、(2)強みの要因を記載する、(3)モットーも強みとなり得る、を述べました。
次回のコラムでは<経営計画>「4.経営方針・目標と今後のプラン」を見ていきます。なお、当記載例を取り上げた前回までのコラムは以下となります。
2.小規模事業者持続化補助金の計画書作成をサポートします。
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小規模事業者持続化補助金に応募したくなる本