先日のコラムガソリンスタンドの儲かる販売戦略を構築する留意点でプッシュ戦略とプット戦略を取り上げました。プッシュ戦略は「売り込む」ことをテーマとし、プット戦略は「お買い上げいただく」ことをテーマとすること、そして、プット戦略に基づくセールストークの事例として以下を挙げました。
(洗車メニューボードを見せながら)「当店では800円より洗車のコースをご用意しております。朝7:00から夜10:00までご利用できますので、お気軽にお申し付けください。」
(点検項目が記載されたボードを見せながら)「当店ではエンジンルームの点検を無料で実施しております。いつでもお気軽にお申し付けください。」
これらのセールストークは、プッシュ戦略とのバランスを検討しなかったことから大きな成果に結び付かなかったわけですが、それ以外にも理由があります。今回のコラムでは、この理由を検証しながら、販売に結び付くセールストークのポイントを検討していきます。
販売に結び付くセールストークのポイント1:相手はミットを構えたか
前述のプット戦略を採用したガソリンスタンドは、セールストークを発することが目的となってしまいました。そもそも、顧客が言葉を【受け取る】状況になっていなければ、どんなセールストークも届くことはありません。
つまり、顧客が言葉を【受け取る】ミットを構えた状況になっているかどうかを見定めながらセールストークを投げかける必要があります。そのためには、ミットを構えさせなければいけません。
人間は、相手がどんな人かを3秒で判断すると言われます。つまり、最初の「いらっしゃいませ」の段階でミットを構えるかどうかが決まってしまうということです。この段階でしっかり目を見て、フレンドリーな雰囲気を出せるかどうかがポイントとなります。「何か感じ良いな」と思わせることが販売に繋がります。
販売に結び付くセールストークのポイント2:相手に言葉を置いているか
セールストークを届けるということは、顧客にその言葉を【置いてくる】ということです。ここで単にセールストークをまくし立てることは、顧客に言葉を置いたことにはならず、騒音を発しただけになります。
よって、ワンセンテンスごとに顧客へ言葉を置くことができたかどうか、確認しながら話す必要があります。そこで顧客と目を合わせ、顧客の様子を伺いながら話すことが必要となります。また、身振り手振りで話すこと、表情や声のトーンに変化をつけることも必要です。
販売に結び付くセールストークのポイント3:感情を灯しているか
初対面の顧客に、久しぶりに会った学生時代の友人と話すような雰囲気で接することができるかどうかもポイントとなります。学生時代の友人と久しぶりに会うと「おぉ、久しぶり…」という声、嬉しそうな表情、オーラが出るものです。
これを仕事で出せるか、ということです。というか、販売する仕事をするならこれを出せるように練習しなければいけません。台詞を覚えるトレーニングをするだけでなく、オーラをまとうことができるトレーニングが必要だということです。
管理職は現場のスタッフと相対して「おぉ、久しぶり…」と言わせてみてください。ほとんどのスタッフは照れながら、形だけの「おぉ、久しぶり…」になるはずです。心を開く練習をさせましょう。もちろん、管理職も心を開いていなければいけません。
今回のコラムでは、販売に結び付くセールストークのポイントとして、1.相手はミットを構えたか、2.相手に言葉を置いているか、3.感情を灯しているか、を挙げました。これらを意識し続けると、人間力が向上し、さらなる効果に結び付きますので、販売に携わる管理職は現場層にぜひ意識させる必要があります。
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