セルフスタンドが電子マネー決済を取り入れるべき3つの理由

戦略の考え方

 牛丼チェーン「松屋」を展開する松屋フーズが、QRコード決済の「PayPay(ペイペイ)」を導入して2週間が経過しました。また、PayPay導入と同時に、LINE Pay、楽天Pay、WeChat Pay、Alipayも導入しました。

 スマホに表示されたQRコードを店舗スタッフにスキャンしてもらう必要が無く、券売機にかざすだけで決済出来るわけですが、店舗スタッフに「○○Payで」と言わなくて良い点が評価されているようです。

 「私は『ぺいぺいで!』って言えないから使えなかった」「若干恥ずい」「小っ恥ずかしいよね…」「言うのに慣れない(笑)」―こんな声がTwitterには上がっています。

 そのTwitterを見ていると、自社が運営するガソリンスタンドで電子マネー決済ができるようになったり、電子マネー決済をすると各種特典があったりすることを告知するつぶやきを目にすることが多くなりましたが、まだ少数派といった感じです。

 ですが、セルフサービスのガソリンスタンドこそ、早めに電子マネー決済を取り入れるべきと考えます。それは次に挙げる理由があるからです。

1.セルフサービスのガソリンスタンドが電子マネー決済を取り入れるべき理由

セルフサービスのガソリンスタンドが電子マネー決済を取り入れるべき理由(1)支払方法を聞く必要が無いため

 店舗スタッフが給油してくれるフルサービスのガソリンスタンドで働く店舗スタッフは、顧客に対して、支払方法が現金なのかクレジットなのかを聞いてから給油します。この現金とクレジットカードの他に、決済手段として各種交通系電子マネーやQRコード決済が加わり、支払の選択肢が広くなってしまうと、給油前の確認で一苦労するでしょう。

 これに対して、セルフサービスのガソリンスタンドで顧客がタッチパネルを操作して、給油・精算をする店舗は、この問題をクリアできることとなります。また、前述のように、QRコード決済をしたいものの「○○Payで」と言うのが恥ずかしいという顧客は、タッチパネルを備えたセルフサービスのガソリンスタンドでは、支払方法はタッチパネルで選択し、スタッフに支払方法を言う必要がないため、何のストレスも感じずQRコードで決済することが可能となります。

セルフサービスのガソリンスタンドが電子マネー決済を取り入れるべき理由(2)若者の需要を取り込めるため

 電子マネー決済を選択する顧客の多くは、比較的若い層が想定されます。若者の車離れが著しいと言われるようになって久しいわけですが、車に乗る若者は減ったものの存在はしており、どこかのガソリンスタンドで給油しているわけです。電子マネー決済ができるようになった店舗は、それを告知することにより、その話題性が若者を集客してくれる可能性が高まります。

セルフサービスのガソリンスタンドが電子マネー決済を取り入れるべき理由(3)先端的なイメージを訴求することができるため

 ガソリンスタンドで提供する商品のほとんどは、店舗によって品質が明確に異なるものではないため、価格競争に陥りやすいといえます。

 そこで、商品以外で差別的優位性を確立する必要があるわけですが、電子マネー決済を競合他社に先んじて導入することは、先端的な店舗イメージを訴求することが可能となります。特に、松屋フーズのQR決済導入が報道されている今がチャンスです。

 このように、セルフのガソリンスタンドが電子マネー決済を取り入れるべき理由は(1)支払方法を聞く必要が無いため、(2)若者の需要を取り込めるため、(3)先端的なイメージを訴求できるため、と弊社では考えています。

 なお、このような外部環境の変化についていけないと感じているご年配の経営者もいらっしゃると思います。この外部環境の変化に敏感なのは、現場の最前線で働く若いアルバイトスタッフだったりします。よって経営者は、現場で彼らと話をして情報収集に勤しむことも重要な仕事であると言えるでしょう。

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