セルフ洗車で儲けることのできるガソリンスタンド3つの取組み

マーケティング

 このコラムはガソリンスタンドを始め、駐車場付きの路面店、いわゆるロードサイド店舗の経営に役立つことを目的として書いていますが、私が長年ガソリンスタンドに身を置いていた関係上、ガソリンスタンド向けの記事が非常に多くなっています。

 その中でもアクセスの多いコラムのひとつが、今年の1月17日に書いた「ガソリンスタンドで洗車プリペイドカードの安売りが危険な理由」です。検索エンジンを通じて見に来る人が多いようですが、どういう人がこのコラムを読んでいるかを検索ワードから推測すると、どうやら、ガソリンスタンドの経営者や管理職ではなく、セルフサービスのガソリンスタンドで洗車をしたい人が読んでいるようです。

 つまり、セルフ洗車やプリペイドカードに興味はあるけれども、どうもよくわからないので検索して前述のコラムに行き着いたと考えられます。そこで今回のコラムでは、このことをベースにセルフサービスのガソリンスタンドが洗車で儲けるための取組みを考えてみたいと思います。

セルフ洗車で儲けることのできるガソリンスタンドの取組み1:操作を丁寧に教える

 セルフサービスのガソリンスタンドで働いていて、顧客からの質問で多いのが、給油の仕方と洗車機の使い方です。立場を変えるとよく分かるのですが、ガソリンスタンドで働くスタッフにとっては当たり前でも、顧客にとってはガソリンを自分で入れたり、洗車機を操作することは当たり前ではありません。

 私の出身地である青森県には「弘前」という桜の名所があります。上京してきて、私の先輩がこの地名を「ひろまえ」と読んだ場面に遭遇したことがあります。正しい読み方は「ひろさき」なので、当時の私は鼻で笑ってしまいました。

 ですが、普通、「前」を「さき」とは読まず「ひろまえ」と読むのが当然のはずです。青森県民にとっては当たり前でも、それ以外の都道府県民にとっては当たり前ではないのです。

 これと同じで、顧客が洗車に訪れたことは、顧客にとっては当たり前のことではないという前提のもと、スタッフはすぐに駆け寄り、操作方法を丁寧に教える必要があります。そして、操作方法を知っている顧客にも駆け寄る必要性がある理由を次に示します。

セルフ洗車で儲けることのできるガソリンスタンドの取組み2:プリカの販売を強化する

 初めて自店の洗車機を使う顧客には、操作方法を説明しますが、複数回利用したことのある顧客には操作方法の説明は不要でしょう。そこで、洗車のプリペイドカードを知っているかどうかを尋ねます。

 一度、徹底的にやってみると痛感するのですが、このように複数回利用したことのある顧客に洗車プリカは勧め尽くしたと思っていても、意外と勧められていない顧客が多いものです。そして、プリカを買っていただければ、固定化が進み、それにより、洗車以外の商品も売れていく可能性が高まります。

 この、ある商品と関連した商品を販売していくという考え方をクロスセルと言いますが、次に示す考え方もあります。

セルフ洗車で儲けることのできるガソリンスタンドの取組み3:アップセルに努める

 アップセルとは、例えばシャンプー洗車を受注したらワックス洗車へランクアップしていただくというように、より高額な商品を販売していくという考え方です。

 ランクアップするには、それなりの理由がなければランクアップできません。そこで、ワックス洗車はシャンプー洗車とどう違うのか、さらにコーティング洗車はワックス洗車とどう違うのか、といった説明を簡潔かつ的確に行う必要があります。

 そのためには、管理職が洗車機メーカーから知識を仕入れ、スタッフに展開していくとともに、ロールプレーイングを実施して説明力を高める必要があります。

 今回のコラムでは、セルフ洗車で儲けることのできるガソリンスタンドの取組みとして、1.操作を丁寧に教える、2.プリカの販売を強化する、3.アップセルに努める、を挙げました。

 あるガソリンスタンド運営会社の経営陣は「電気自動車が普及して整備の仕方が変わっても、車は汚れるから洗車に力を入れるべき」と発言していました。セルフサービスのガソリンスタンドは、今回ご紹介した取組みがしっかりできているか今一度検討して、洗車収益の向上に努めていただければと思います。

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