顧客は見ている
かつて、新規オープンのガソリンスタンドを担当した際の話です。店舗の建設と並行して、アルバイトスタッフを募集し、採用したスタッフには、店舗そばの空き地で接客の指導をしていました。建物が完成しても、備品類などの搬入まで日にちが必要であったため、オープンまで日がありました。そこで、今度は空き地ではなく、店舗で接客の指導をしていました。
迎えたオープン初日に、給油のために来店された、ある顧客から感心した面持ちで「いつも遅くまで練習していましたよね」と声を掛けていただきました。大きな嬉しさを感じるとともに、顧客は店舗をいつも見ているものなのだな、という認識を持ちました。
店頭の販促物
さて、営業中の店舗は、店頭にのぼりやA型看板を立てたり、ガラス面にPOPを貼ったりして、前面道路を通行する顧客の入店を促します。そして、閉店時には、のぼりや看板を店内に片付け、シャッターを閉めることとなります。これにより、ガラスに貼ったPOPも見えなくなります。
しかし、顧客は、営業時間中だけにその店舗の前を通行するとは限りません。にもかかわらず、多くの店舗が閉店中はなんの販促もしていません。ホームページやSNSでの情報発信はしている店舗もありますが、リアルな店舗での販促はほとんど見受けられません。
ところが、中には、閉店中でもリアル店舗として販促をし続ける店舗もあるのです。
閉店後のシャッターを活かした販促
多くの店舗は、閉店時にシャッターを降ろします。しかし、そのシャッターには何も書かれておらず、無機質なものとなっています。何か書かれているとしても、店名やロゴマークのみ、良くて営業時間まで、といった印象です。
そういった中、上述の写真の店舗は、自店の主力サービスをシャッターで紹介し、その効果、所要時間、価格などのメッセージを発しています。
これを見た通行人が、フェイシャルエステを受けたいと思っても、その時は営業時間外ですから、その時は入店することができません。しかし、この店舗で注力している商品を認識し、後日ご来店下さる可能性は発生します。
ビジネスは玉突きゲームではありません。これをしたら必ず上手くいくというものではありませんから、上手くいく可能性を高めることが必要です。そのような観点からは、このシャッターは優秀な販促物だと感じました。
繰り返しになりますが、顧客は営業時間中のみ店舗の前を通るわけではありません。また、営業時間外に通った場合でも店舗を見ています。
さて、貴店は閉店後にどのような販売促進を行っていますか?
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