店長がスーツを着る際に上司が教えるべき4つのこと

　先日の「天皇陛下・即位の儀式」で安倍首相の奥様、昭恵夫人がドレスコード違反をしているのではないか、という声がTwitterを賑わせています。通常、このような儀式の場合、女性は和装か、アフタヌーンドレスなどひざが完全に隠れる服装で参加するのが一般的なのですが、昭恵夫人は膝丈のワンピースで参列しました。

　このワンピースはデイドレスと呼ばれるもので、実際はドレスコード違反ではない、という声もありますが、周囲から浮いていたのは否めず、ドレス選びに対してアドバイスする人が周囲にいなかったのか、という声も挙がっています。

　この記事に接した私は、あるガソリンスタンド運営会社での一件を思い出しました。複数のガソリンスタンドを展開していたその企業の親会社が新年会を行った際に、同社にて高い業績を挙げているガソリンスタンド店長数名が出席した際の出来事です。

　スーツなどめったに着ない数名の店長がこの新年会で恥をかいてしまいました。それにより、店長はストレスを感じてしまうわけですが、これが積もり積もると、ある些細なことをきっかけに、あっさり退職してしまいます。

　今回のコラムでは、普段は作業着で仕事をし、スーツを着ることが少ない店長にこのような公の場で恥をかかせないために上司が教えておくべきことを述べていきます。

ガソリンスタンドの店長がスーツを着る際に教えるべきこと1：ソックスの色

　その新年会に出席した店長は全員がスーツを着用していましたが、そのうち数名は白いソックスを履いていました。一般的にスーツも靴も暗く濃い色が多いわけですが、そのようなスーツと靴のつなぎ目であるソックスが白だと、連続性が失われてしまいます。そこでスーツを着る際のソックスは黒色のものを使用するのが無難です。

ガソリンスタンドの店長がスーツを着る際に教えるべきこと2：上着の胸ポケットの使い方

　スーツを着ている際に上着のポケットが膨らんでいるのは、体のシルエットが崩れているわけで、見苦しくなってしまいます。原則として上着のポケットには何も入れませんし、そもそも胸ポケットはポケットチーフを入れるためのものという意見もあります。

　しかし、この新年会に出席した店長の中には、上着の胸ポケットにタバコを入れている方がいました。恐らく、普段胸ポケットにタバコを入れて生活しているのでしょう。ですが、スーツの場合はわけが違います。

ガソリンスタンドの店長がスーツを着る際に教えるべきこと3：上着のボタンの扱い

　スーツの上着は、2つボタンだったり3つボタンだったりしますが、いずれにせよ一番下のボタンは外しておきます。これは「アンダーボタンマナー」とも呼ばれます。これにより、腰からお尻にかけてのラインが広がり、ウエストにくびれができるため、シルエットをきれいに見せることができます。

　しかし、この新年会に出席した店長の中には、上着のボタンを全部留めている方がいました。ボタンを全部留めることが相手へのマナーと捉えているふしがありますが、スーツの場合はそうではないことを教える必要がありました。

ガソリンスタンドの店長がスーツを着る際に教えるべきこと4：名刺交換の仕方

　小売の現場にいると名刺交換をする機会はほとんどありません。仮にそのような機会があった場合は、机の引き出しから名刺を出してきて渡すだけです。よって、名刺入れも持っていない店長がほとんどです。

　しかし、このような新年会では、親会社の社員のみならず、取引先など多くの方と名刺交換をすることになります。慣れていないのは致し方ありませんが、名刺をどのように渡し、どのように受け取るか程度は教えておいたほうが、名刺を渡す方も受け取る方も悪い気分はしないものです。

　また、名刺入れも安いものだと1,000円もしないで買えますので、新年会出席用として会社から支給しても良いのではないでしょうか。

　この会社は月1回ペースで店長会議を催しており、その際にスーツを着用させていたということですから、スーツの着こなしについては、会議時に指摘しておけば、親会社の新年会で恥をかくこともなかったはずです。恥をかいた店長も当然、そのように思っているはずであり、これが従業員の不満足度を高めることとなります。

　今回のコラムでは、ガソリンスタンドの店長がスーツを着る際に教えるべきこととして、1．ソックスの色、2．上着の胸ポケットの使い方、3．上着のボタンの扱い、4．名刺交換の仕方、を挙げました。普段スーツを着る本社スタッフは、業績だけに目を奪われることなく、一般的なビジネスマナーを教えることにより、店長が育ち、それが業績に繋がっていくのではないでしょうか。