令和元年度補正予算 小規模事業者持続化補助金について1

小規模事業者持続化補助金

 2020年3月13日より、小規模事業者持続化補助金の申請受付が開始されました。この補助金は、文字通り小規模な事業者が、販路開拓に使用する費用の3分の2、原則上限50万円が補助される(もらえる)ものです。

 ネット通販の普及、大規模ショッピングセンターの進出、需要減少などを背景に、業績に苦しむ小規模なロードサイド店舗が、この補助金を使って事業を拡大させた事例は多数あります。

 それらの事例を通じて、小規模事業者持続化補助金に採択され、それを活用して事業を拡大させるために具体的にどうしたらよいのかをシリーズとして述べていきます。まず、今回は小規模事業者持続化補助金とは何なのか、というテーマで見ていきます。

補助金とは

 小規模事業者持続化補助金の他にも【補助金】は多数あり、この引き合いに出されるのが【助成金】です。補助金が助成金と決定的に違うのは、【計画の完成度】を他の応募者と競うことであり、助成金のように条件を満たしていれば誰でも貰えるというものではありません。

 これは、行政が徴収した税金を補助金という名前に変えて、事業者に再配分する以上、その補助金を使うことで利益が上がり、納税額が大きくなる可能性が高くなければ、補助金を出す意味が薄れてしまうからです。

 よって、自社が応募時に提出した計画書が一定レベルだとした場合、その時にレベルの高い計画書が集まれば、採択のハードルは高くなりますし、逆にレベルの低い計画書が集まれば、そのハードルは低くなります。

応募時の留意点

 そのような運も影響する補助金ですが、採択されるポイントは【小学5年生でもわかる】計画書を作ることです。審査員は計画書を見るプロですが、皆さんの事業に関するプロかどうかは甚だ不明です。そのような審査員に自社の計画書を理解していただかなければならないのですから、分かりやすいものを作成する必要があります。

 また、採択されてもすぐにお金が振り込まれるわけでなく、後述するように費用を一旦立て替え、計画書通りに不正なく支出した確認が取れてから振り込まれます。長い場合だと採択から入金まで1年程度はかかります。

小規模事業者持続化補助金の対象者

 この補助金を得るには、小規模事業者でなければいけませんが、この場合の「小規模」とは、以下の従業員基準を満たす必要があります。
 【商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く)】常時使用する従業員の数 5人以下
 【サービス業のうち宿泊業・娯楽業】常時使用する従業員の数 20人以下
 【製造業その他】常時使用する従業員の数 20人以下

 「常時使用する従業員」とは、役員・パートタイマー・個人事業主本人および同居の親族従業員を除いた従業員の数を指します。

小規模事業者持続化補助金の対象となる費用

 冒頭に示した通り、小規模事業者持続化補助金は販路開拓に要する費用の3分の2、原則上限50万円が補助されますが、この「販路開拓に要する費用」とは、以下の13項目となります。

 ①機械装置等費、②広報費、③展示会等出展費、④旅費、⑤開発費、⑥資料購入費、⑦ 雑役務費、⑧借料、⑨専門家謝金、⑩専門家旅費、⑪設備処分費、⑫委託費、⑬外注費

 統計をとったわけではないのですが、応募が多い印象があるのは、「②広報費」で、具体的には、ホームページ作成・更新の費用、チラシ・ダイレクトメール・カタログ・試供品(販売用商品と明確に異なるものである場合のみ)といった販促物の作成や発送費用、新聞・雑誌・インターネット広告、看板作成・設置といった広告費が挙げられます。

 また、「⑬外注費」も多い印象です。具体的には、和式トイレを洋式にしたり、お座敷を掘りごたつ式にしたりするなどの店舗改装工事費用が挙げられます。

 なお、前回まで対象となっていた買い物難民のための移動スーパーなどに使う「車両購入費」が今回はなくなりました。

 今回は小規模事業者持続化補助金のアウトラインについて見てきましたが、次回は、前回の当補助金と今回の当補助金について、大きな違いについて見ていきます。

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