今回のコラムは、令和元年度補正予算 小規模事業者持続化補助金に採択されるためのポイント解説最終回として、実際にこれまでいただいた質問などを通じ、全般的な留意点について見ていきます。
SEO対策は対象外か
公募要領P37に「②広報費」の対象とならない例として「ウェブサイトのSEO対策等で効果や作業内容が不明確なもの」が挙げられています。これは、SEO対策が対象外なのではなく【効果や作業内容が不明確な】SEO対策が対象外であることを示しています。
埼玉県本庄市のIT系企業である株式会社ディーアイケイの中川社長によると、過去に同社のクライアントがSEO対策を実施する補助事業が採択されましたが、その効果として全てのSEO対策キーワードで順位を計測し、9割のキーワードを1ページ目以内に表示できたことを報告書にまとめて提出し、無事認められています。
採択されたことがある事業者
過去に採択された事業と「同じ事業内容」を「同じ事業者」が行う場合は補助金に採択される可能性は低くなります。様式2<経営計画>の上部欄に、過去に採択された事業者に対して「それぞれ該当する回の補助事業での販路開拓先、販路開拓方法、成果を記載した上で、今回の補助事業との違いを記載してください」と示されていますが、ここを【明確に示すこと】ができないと、採択される可能性が低くなるということです。
この欄で文章だけを用いて、過去の補助事業と今回の補助事業の違いを説明すると冗長性が高まり、分かりにくくなる場合が多いので、以下のように表の使用をお勧めしています。
これを示した上で「前回と今回の補助事業の違いは○○である」と示すと分かりやすくなります。
過去の支出は対象となるのか
これは意外と多いご質問です。補助金は、申請された額を行政が補助することにより、今以上に収益を上げ、税収に寄与していただけることが見込める事業者を採択するため、計画書を提出することとなります。よって、過去の支出ではなく【今後の支出が対象】となります。
金額や費目に採択が影響されるのか
申請した金額が大きければ大きいほど採択されやすいのか、また、採択されやすい費目があるのか、というご質問を受けることがあります。
金額にせよ費目にせよ、申請した補助金を使って収益性を向上させ、【税収に寄与】していただけるかどうかがポイントですので、金額や費目によって採択が影響される可能性は低いです。補助金の意義を押さえていればこのような質問に対する答えは自ずと出るでしょう。
採択されたらすぐに着手していいのか
例えばホームページを制作して販路拡大を図るために、小規模事業者持続化補助金を申請したとします。この場合、予めホームページの作成業者とどのようなホームページを作るのか打ち合わせをして、その内容を反映させた計画書を作成します。
それを提出し、締切後1~2か月が経過し、審査が終わったら採択者が公表されます。ですが、この時点でホームページ業者に振り込みをして早速、作業を開始してしまうと補助金は支給されません。採択された事業者が発表された後に、【補助金交付決定通知書が手元に届いてから】補助事業に着手しなければならないことに留意しましょう。
新型コロナの影響で売上が減少した事業者の場合
2020年3月31日締切の第1回受付締切分では、新型コロナの影響で2020年2月の売上高が2019年2月の売上高よりも10%以上減少していれば、審査時に加点となります。この場合、市区町村から【売上減少の証明書】を発行してもらう必要があります。
2020年6月5日締め切りの第2回受付締切分では、そのような加点要素が不要になるように、新型コロナウイルスの影響が落ち着くことを祈るしかありません。
今回のコラムでは、よくある質問などに基づき、全般的な留意点について述べました。この補助金を活用して事業を拡大した事業者はたくさんありますので活用をお勧めします。
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