今回のコラムは、小規模事業者持続化補助金に採択されるために「様式2」の<経営計画>「2.顧客ニーズと市場の動向」について、その書き方について見ていきます。下図は当補助金で申請する際に提出する各様式の項目一覧です。赤丸で囲まれた部分が今回のコラムで解説する部分です。
基本的な考え方
「顧客ニーズと市場の動向」ですので、外部環境の説明をすることとなりますが、「顧客ニーズ」と「市場の動向」をまとめて述べようとすると冗長になってしまいがちですので、【顧客ニーズ】【市場の動向】と項目を作って、別々に述べていくとまとまりやすくなります。
顧客ニーズ
例えば、ガソリンスタンドを利用する人は、それにより【果たしたい目的】があるはずです。それは「ガソリンを入れて車を走らせたい」という直接的なものもありますが、例えば「パンクで立ち往生したくない」「経済的に車を使いたい」「手軽に車検を済ませたい」などがあり、この【果たしたい目的】が顧客ニーズとなります。
この顧客ニーズを叶えることができる商品・サービスを提供しなければ、業績を向上させることは困難なはずです。つまり、ニーズを把握していない事業者に対して、補助金を差し上げても業績に結び付きにくく、そのように判断されたら不採択の可能性が高まってしまいます。
よって、単なる顧客の声ではなく、その声からどのようなニーズを持っているのかを検討し、記載することとなります。
市場の動向【市場規模】
市場の「動向」ですので、過去から現在までどうなっているのか、そして今後どのようになることが見込まれるのかを検討します。ここで着目したいのは【市場規模】【競合動向】です。
【市場規模】に関しては、商圏人口や市場規模の推移を記載すると良いでしょう。商圏人口に関しては、市町村のホームページで人口動向が発表されていますが、RESAS(リーサス)の活用をお勧めしています。
これは産業構造や人口動態、人の流れなどに関する官民のいわゆるビッグデータを集約し、可視化を試みるシステムで、インターネットに繋がる環境があれば活用できます。公募要領P59でも活用をお勧めしています。
市場の動向【競合動向】
前述の通り、顧客ニーズを満足させれば事業活動は活性化していくわけですが、競合他社よりも顧客ニーズを満足させることができれば、事業活動はさらに活性化していきます。よって、競合の動向も把握する必要があります。
この場合にお勧めしているのは、社名、住所、当店からの距離、ホームページのURL、特徴を一覧表にすることです。これを踏まえて、差別的優位性を検討する必要があります。
今回のコラムでは、様式2の<経営計画>について「2.顧客ニーズと市場の動向」に記載する内容について見てきました。次回は同じ<経営計画>の中の「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」について述べていきます。
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