令和元年度補正予算 小規模事業者持続化補助金について7

 今回のコラムは、小規模事業者持続化補助金に採択されるために「様式2」の<経営計画>「2.顧客ニーズと市場の動向」について、その書き方について見ていきます。下図は当補助金で申請する際に提出する各様式の項目一覧です。赤丸で囲まれた部分が今回のコラムで解説する部分です。

基本的な考え方

 「顧客ニーズと市場の動向」ですので、外部環境の説明をすることとなりますが、「顧客ニーズ」と「市場の動向」をまとめて述べようとすると冗長になってしまいがちですので、【顧客ニーズ】【市場の動向】と項目を作って、別々に述べていくとまとまりやすくなります。

顧客ニーズ

 例えば、ガソリンスタンドを利用する人は、それにより【果たしたい目的】があるはずです。それは「ガソリンを入れて車を走らせたい」という直接的なものもありますが、例えば「パンクで立ち往生したくない」「経済的に車を使いたい」「手軽に車検を済ませたい」などがあり、この【果たしたい目的】が顧客ニーズとなります。

 この顧客ニーズを叶えることができる商品・サービスを提供しなければ、業績を向上させることは困難なはずです。つまり、ニーズを把握していない事業者に対して、補助金を差し上げても業績に結び付きにくく、そのように判断されたら不採択の可能性が高まってしまいます。

 よって、単なる顧客の声ではなく、その声からどのようなニーズを持っているのかを検討し、記載することとなります。

市場の動向【市場規模】

 市場の「動向」ですので、過去から現在までどうなっているのか、そして今後どのようになることが見込まれるのかを検討します。ここで着目したいのは【市場規模】【競合動向】です。

 【市場規模】に関しては、商圏人口や市場規模の推移を記載すると良いでしょう。商圏人口に関しては、市町村のホームページで人口動向が発表されていますが、RESAS(リーサス)の活用をお勧めしています。

 これは産業構造や人口動態、人の流れなどに関する官民のいわゆるビッグデータを集約し、可視化を試みるシステムで、インターネットに繋がる環境があれば活用できます。公募要領P59でも活用をお勧めしています。

市場の動向【競合動向】

 前述の通り、顧客ニーズを満足させれば事業活動は活性化していくわけですが、競合他社よりも顧客ニーズを満足させることができれば、事業活動はさらに活性化していきます。よって、競合の動向も把握する必要があります。

 この場合にお勧めしているのは、社名、住所、当店からの距離、ホームページのURL、特徴を一覧表にすることです。これを踏まえて、差別的優位性を検討する必要があります。

 今回のコラムでは、様式2の<経営計画>について「2.顧客ニーズと市場の動向」に記載する内容について見てきました。次回は同じ<経営計画>の中の「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」について述べていきます。

メルマガ会員様募集中

 メルマガ会員様には、リアル店舗の現場経験20年以上、コンサルティング歴10年以上【通算30年以上のノウハウ】を凝縮した【未公開のコラム】や、当サイトに掲載したコラムの【解説動画URL】を優先的に配信しています。
登録はこちらから
↓↓↓

お探しのページが見つかりません。

電子書籍のご案内

 1年で70人のアルバイトに辞められたガソリンスタンド店長が人材に全く困らなくなった理由:育成編~人材が育つ職場と人材に見放される職場の境界線~
2020年3月15日発行 定価1,055円