台風の被害を受けた方々へは心よりお見舞い申し上げます。
今年の9月9日に上陸した台風15号が引き起こした停電で、千葉県では多くのガソリンスタンドが営業できなくなりました。それから約ひと月後の先日10月12日に上陸した台風19号に関しては、ユーザーの反応も鋭く、上陸する前からガソリンスタンドには長蛇の列ができました。
ガソリンスタンドでは、洗車やタイヤといったガソリン以外の商品を油外商品と呼び、安定した収益には欠かせなくなっていますが、今回のコラムでは、この台風を活用して油外商品を販売する方法を見ていきます。
なぜそのスポーツ用品店は顧客が増えたのか
かつて弊社がご支援した、あるスポーツ用品店は3年ぶりに売上高が前年を超えました。その理由は色々挙げられますが、大きな要因としてニュースレターの発行が挙げられます。
これは、弊社がご支援していく中で、月1回ペースで作成し、来店客へ配布することにしたわけですが、その構成は、左上に店長のご挨拶、その下にスポーツ用品のプロとしてのコラム、右上に購買客の写真、その下にイベント情報、そして右下にクーポン券が配置されています。
イメージとしては以下のようなものです。なお「今月のお客様」の写真は一部加工しています。
ニュースレターのポイント
このニュースレターのポイントは、顧客に許可を得た上で、お買い物の記念写真を撮り、掲載していることです。これにより写真を掲載された顧客は、ほぼ確実にニュースレターを取りに翌月来店します。また、専門家のコラムやイベント情報、クーポン券なども好評で、再来店する顧客が増加しました。
来店すれば、売れる可能性はゼロではなくなりますから、来店する理由を与えることが重要である、ということです。
さて、台風に備えたガソリンを求める行列ができている中、その日にガソリンスタンドで油外商品を売るのは現実的ではありません。ですが、前述のニュースレターをこの日も配布したとしたら、多くの顧客に同店の情報が行き渡ることとなり、再来店・再購買する可能性が高まります。
ここで重要なことは、日頃から配布しておかなければ効果は限定的だということです。日頃から配布しているからこそ、内容や配り方が洗練され、いやらしさも感じさせなくなります。そして「あそこのスタンドに行けばお得な情報がもらえる」というレッテルを貼っていただくことで固定化が促進され、油外商品の販売に繋がる可能性が高まります。
では、ガソリンスタンドはどのようなニュースレターを作成するべきなのでしょうか。
ガソリンスタンド版ニュースレター
「今月のご挨拶」としては、最近の店内で発生したトピック的なことで顧客に関係することを掲載します。具体的には、セルフサービスの釣り銭取り忘れや給油キャップの締め忘れがどの程度あったかを示して注意喚起をしたり、先月よく売れた洗車コースやエンジンオイルを紹介したりすると良いでしょう。
「コラム」は専門家としての情報発信コーナーなので、その内容としては、エンジンオイルはなぜ交換しなければならないのか、すり減ったタイヤはなぜ危険なのかなどが考えられます。ここで何を書けるかによって、油外商品の販売に大きな影響を与えるでしょう。
「今月のお客様コーナー」は、洗車後に顧客の許可を得て、車両と顧客を撮影したり、顧客が撮った「ガソスタ映え」する愛車写真を掲載したりすると良いでしょう。なお、ガソスタ映えに関しては以下のコラムを参考にしてください。
ガソリンスタンドがインスタ映えを集客に活かす3ステップ
あるビジネスホテルでは、台風時における周辺河川の状況や、電車の運行情報をこまめにTwitterにアップし、帰宅できない人を当ホテルに取り込もうとしていました。また、台風の影響で予約を急遽キャンセルせざるを得ない顧客にはキャンセル料無料という配慮もアピールしていました。このように、台風も捉え方によっては、商機になったり、自社のアピールができたりする可能性が高まります。
そのためには、日々の情報発信が重要となりますが、ガソリンスタンドにおいては今回紹介したニュースレターを活用してみてはいかがでしょうか。
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