お笑いコンビ「FUJIWARA」のフジモンと、タピオカ騒動で活動休止中のユッキーナが離婚することとなりました。傍から見ると、タピオカ店とのトラブルを起こしたユッキーナに愛想をつかしたフジモンが離婚を切り出したように思えますが、報道によると、もともと別居状態が1年ほど続いており、タピオカ騒動の前から離婚という結論は出ていたのだそうです。
今回のコラムでは、この離婚をはじめとした様々なライフイベントによるストレスの研究から、ガソリンスタンドの人手不足を防止する施策について見ていきます。
ストレスで体調を崩す確率
「ホームズ＆レイ社会的適応評価尺度」という、ライフイベント、ストレス、疾病発症の関連についての研究結果があります。これによると、ライフイベントには様々なものがありますが、離婚のストレスは非常に高いことが分かっています。
その他のライフイベントについても、それぞれにおいてストレスの度合いを点数化し、1年間のストレスの合計点数が300点以上の場合は80％、200～299点の場合は50％、155～199点の場合は30％の可能性で体調を崩すことが分かっています。
下図は、ライフイベントとストレスの度合い（点数）です。黒い文字はプライベートにおいて、赤い文字は職場において感じるストレスを示しています。なお、ストレスは環境の変化によって発生しますので、結婚や家族の増加といったおめでたいことであっても発生することとなっています。
肺炎を患った背景
私は、21年間でガソリンスタンドの運営会社を7社渡り歩きましたが、5社目から6社目へ移った時の話です。
5社目と6社目は距離が非常に離れていましたので、当時独身の私は引っ越すことになりました。事前に6社目には伝えていましたが、引っ越し先では婚約者が待っておりました。その後、現地で結婚式を挙げ、長期休暇を取り新婚旅行に出かけました。そして、新婚旅行から帰ってきた私は、まもなく高熱を出し、肺炎で入院することとなりました。
これも、前述のライフイベントとストレスの関連を知っていれば、結婚を1年先にずらすなどして、肺炎を防止することができたかもしれません。上述の「ホームズ＆レイ社会的適応評価尺度」に照らし合わせてみると、当時の私は数か月間で、退職（45点）、引っ越し（20点）、生活環境の変化（25点）、労働時間や労働条件の変化（20点）、結婚（50点）、長期休暇（13点）を経験し、合計173点ものストレスを受けていたからです。
ストレスによる退職を防ぐには
「ホームズ＆レイ社会的適応評価尺度」で興味深いのは、上司とのトラブルは23点（図の右上）でありながら、部下とのトラブルは点数化されていないことです。
これは、上司と部下が揉めたときに一般的には、上司はストレスを感じないことが多く、部下はストレスを感じることが多いことを意味しています。上司と部下が揉めると部下が辞めるのは、部下にストレスが大きくかかるからと言えます。
よって、退職者を少なくするには、上司である経営者は部下とのトラブルを極力避けることです。経営者が「タイヤの売上が悪い」「アルバイトを育てろ」「休みなんか取らないで頑張れ」と言って檄を飛ばしているつもりでも、部下である店長がそれに反発して、トラブルに発展するケースもあるわけです。
そもそもトラブルは同じ土俵の上に乗っているからトラブルになるわけで、部下とトラブルになりそうだと感じたら、一段上の高所大所へ視点を移して物事を見てみたり、部下を応援しているスタンスを強調したりすることが必要です。
経営陣が店長にそのような対応ができれば、店長は現場のスタッフにそのような対応ができるため、人材の定着率は向上するでしょう。
雑談の重要性
さらには、プライバシーの侵害にならない程度に可能な範囲で、部下の私生活情報も仕入れておき、プライベートでストレスを感じているようであれば、人事異動の発令を少し待ったり、フォローを手厚くすることが効果を上げるでしょう。そのためには、相手に興味を持って雑談をすることが必要です。
今回のコラムでは、タピオカ離婚によるフジモンとユッキーナが被るストレスから、ストレスマネジメントによる人手不足の防止策について見てきました。高給を出さずとも人手不足の克服は可能ですので、ぜひ取り組んでみてください。
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