事例で理解する低感染リスク型ビジネス枠の採択ポイント④

小規模事業者持続化補助金

 小規模事業者持続化補助金<低感染リスク型ビジネス枠>は、昨年度に創設された<コロナ特別対応型>に変わるものとして今年度に創設され、募集が始まっています。この<低感染リスク型ビジネス枠>が<コロナ特別対応型>と大きく違うのは、その補助事業の実施により「対人接触機会の減少」が実現できること、その補助事業が「新たな取組」であることが求められている点です。

 ただし、応募の際に作成する計画書のフォーマットに大きな変更はありません。そこで、当コラムでは「対人接触機会の減少」「新たな取組」に該当し、<コロナ特別対応型>に採択されたエステティックサロンの事例を通じて<低感染リスク型ビジネス枠>の採択ポイントを検証していきます。

 同店は新型コロナウイルス感染症の影響を受け、美容を維持・向上させるオンライン講座を提供するために、ホームページを刷新したいと考えており、それを補助事業として申請し、採択されていますが、今回のコラムでは<補助事業計画 >「2.補助事業の内容」をどう書くべきかについて見ていきます。なお、当コラムの内容は2021年4月30日時点の情報に基づいています。

1. <補助事業計画>「2.補助事業の内容」の書き方

(1)端的に書く

 同店が採択された<コロナ特別対応型>ですが、その計画書フォーマット内「今回の申請計画で取り組む内容」欄が<低感染リスク型ビジネス枠>の「2.補助事業の内容」に該当します。

 同店は当欄にまず「講座内容やメリットについて、Webサイトを用いた非対面型で訴求し、新規受講者を獲得できる体制を整備する。」と補助事業の内容を端的に記載しました。補助事業の内容として、細々とした説明を記載する前に、補助事業の全体像が理解できる端的な記述を盛り込むことは読み手の理解を促すことが可能となります。

(2)具体的に書く

 <低感染リスク型ビジネス枠>「2.補助事業の内容」には、以下の但し書きがあります。

 感染拡大防止のための対人接触機会の減少に資する新たなビジネスやサービス、生産プロセスの導入等の取組について、取組内容や実施体制、スケジュールを具体的に記載してください。

 これに対応するということは、いつ(When)・だれが(Who)・なにを(What)・なぜ(Why)・どこで(Where)・どのように(How)行うのか、という5W1Hを明確にすることだと弊社は考えています。

 同店は、補助事業で立ち上げたいホームページについて、そのサイト構成を示し、各ページにおいて、なにを(What)・なぜ(Why)・どのように(How)訴求するのかを明確にしました。

 同店はその内容で採択されましたが、採択をより確実なものにするためには、5W1H全てを明確に記載する必要があると言えるでしょう。

(3)ビジュアルに訴求する

 同店は、上述のサイト構成を文章ではなく、表にして盛り込みました。読み手側からすると、文章で長々と書かれるよりも、図表を盛り込んでいただいた方が読みやすいので、理解も深まりやすくなります。

 不採択になる計画書は、当然のことながら審査の結果、得点が低いから不採択になるわけです。では、なぜ得点が低いのかというと計画書の内容を読み手が理解できないからという点は大きなポイントになります。

 計画書の内容が理解でき、その上で補助金の目的と一致していないとか、現状分析が今ひとつであるとかで不採択になるケースよりも、そもそも計画書の内容が理解できないケースが圧倒的に多いのです。よって、図表を用いてビジュアルに訴求し、読み手の理解を促す必要があると言えるでしょう。

 このようにして<補助事業計画>「2.補助事業の内容」に該当する部分を記載していきましたが、次回のコラムでは「3. 補助事業の効果」を見ていきます。

2.当コラムの解説動画

3.小規模事業者持続化補助金の計画書作成をサポートします

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