低感染リスク型ビジネス枠の採択ポイント:エステサロンの事例②

小規模事業者持続化補助金

 小規模事業者持続化補助金<低感染リスク型ビジネス枠>は、昨年度に創設された<コロナ特別対応型>に代わるものとして今年度に創設され、募集が始まっています。この<低感染リスク型ビジネス枠>が<コロナ特別対応型>と大きく違うのは、その補助事業の実施により「対人接触機会の減少」が実現できること、その補助事業が「新たな取組」であることが求められている点です。

 ただし、応募の際に作成する計画書のフォーマットに大きな変更はありません。そこで、当コラムでは「対人接触機会の減少」「新たな取組」に該当し、<コロナ特別対応型>に採択されたエステティックサロンの事例を通じて<低感染リスク型ビジネス枠>の採択ポイントを検証していきます。

 今回取り上げるエステティックサロンは、コロナ禍で売上を確保するために、小規模事業者持続化補助金<コロナ特別対応型>を活用して、①オンラインレッスンの提供、②ホームページの改修を行いたいと考え、計画書を作成し、当該補助金に応募しました。

 結果として、それら補助事業は採択されたわけですが、今回のコラムでは前回に引き続き<経営計画> 「1.自社の事業概要」に該当する部分を同店がどのように記載していったかについて見ていきます。

1.<経営計画>「1.自社の事業概要」の書き方

(1)RESASを活用する

 持続化補助金<低感染リスク型ビジネス枠>のホームページ からダウンロードできる「参考資料」には以下の記載があります。

 このRESAS(リーサス)は、商圏内の人口が過去からこれまでどうなっていて、今後どうなる見込みなのかという動向を把握するツールとして非常に利便性の高いツールです。同店は、立地する自治体の人口動向をRESASで調べ、その結果を「外部環境」として記載しました。

(2)競合動向を記載する

 同店がさらに「外部環境」として盛り込んだのが競合の一覧表です。競合の店名、URL、住所、そして同店から見た各店の特徴をまとめた一覧表を盛り込みました。

 その理由は、この後に「内部環境」として自店の強みを述べますが、競合と比較して優位性があるから強みなわけで、比較対象がどこの店舗で、どんな特徴を持っているのかを述べることは、記載した強みの説得力を向上させるからです。

 そして、その強みを補助金で多くの方に伝えたり、より強化したりしていくことが事業拡大のポイントとなっていきますし、そのことが採択の可能性を高めます。

(3)経営資源の拡充を意識する

 同店は「1.自社の事業概要」で「外部環境」「内部環境」の他に「経営方針・目標と今後のプラン」という見出しも設けましたが、今後のプランは起こすべき行動とその時期を明確にする必要があります。

 この起こすべき行動ですが、経営資源を拡充するための行動という観点から検討しました。経営資源は、人・物・金・情報から構成されるので、人的資源を充実させる行動、物的資源を充実させる行動、財務的資源を充実させる行動、情報的資源を充実させる行動を洗い出しました。

 時間軸は3年とし、各年を3か月毎に区切り、行動を縦軸に、時間軸を横軸にとった表を作成し、いつどんな行動を起こすのか分かるように記載をしました。

 このようにして、同店は<低感染リスク型ビジネス枠>「1.自社の事業概要」に該当する部分を記載していきましたが、次回のコラムでは「2.新型コロナウイルス感染症の影響・既に取り組んでいる対策」をどのように記載したのかを見ていきます。

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