小規模事業者持続化補助金<低感染リスク型ビジネス枠>は、昨年度に創設された<コロナ特別対応型>に変わるものとして今年度に創設され、募集が始まっています。この<低感染リスク型ビジネス枠>が<コロナ特別対応型>と大きく違うのは、その補助事業の実施により「対人接触機会の減少」が実現できること、その補助事業が「新たな取組」であることが求められている点です。
ただし、応募の際に作成する計画書のフォーマットに大きな変更はありません。そこで、当コラムでは「対人接触機会の減少」「新たな取組」に該当し、<コロナ特別対応型>に採択された研修会社の事例を通じて<低感染リスク型ビジネス枠>の採択ポイントを検証していきます。
同社はコロナ禍の中、研修をオンラインで提供するために、小規模事業者持続化補助金<コロナ特別対応型>を活用して、①講義動画の作成・オンライン配信設備の導入、②専用webサイトの構築、③オンライン研修パンフレットの作成・送付を行いたいと考え、計画書を作成し、当補助金に応募しました。
結果として、それら補助事業は採択されたわけですが、今回のコラムでは<補助事業計画 >「3.補助事業の効果」に該当する部分を同社が何を書いたかについて見ていきます。
1. 当事例で「3.補助事業の効果」に書いたこと
今回取り上げた事例企業は、研修をオンラインで提供することにより、どのような効果が見込めるのか、その効果を3つ、以下にご紹介する形で記載しました。
そのポイントは、<低感染リスク型ビジネス枠>の「3.補助事業の効果」欄に、※補助事業の実施により、自社の経営に与える効果について記載してください。という但し書きがあるように、顧客や社会的な効果ではなく、「自社の効果」のみを記載すればそれで足りるということです。
(1)研修の開催頻度に関する効果
まず、オンラインで研修を提供することにより、研修の開催頻度が増加できることを述べました。具体的には、テレワークの普及により社員が一堂に会することが少なくなっても、社員が自宅から研修に参加できることから、主催者が研修開催のために行う準備の負荷が低減し、開催頻度が向上できることを記載しました。
(2)研修の開催場所に関する効果
次に、オンラインで研修を提供することにより、日本全国様々な場所において、これまでよりも小さな負荷で登壇できることを述べました。
具体的には、対面型の研修は講師が研修場所に赴く必要があり、交通費や移動時間の負担が、遠隔地開催の障壁となっていたという課題を述べました。そして、オンラインで研修を提供することにより、それらの負担が小さくなり、遠隔地での開催が容易となることから、全国に支店を持つ企業は全社的な取り組みが可能となり、また、地方に立地する企業に対しても研修提供が容易となることを記載しました。
(3)研修の効率化に関する効果
3つ目の効果は研修のパッケージ化が可能であるということです。同社はオンラインで研修を提供するために動画を作成しますが、この動画は、同じ研修テーマであれば同じものを活用するため、パッケージ化が可能となり、結果として講師の属人的要素は希薄化し、研修の再現性が高まることを記載しました。
今回取り上げた事例企業の計画書に関するポイントとして挙げられるのは、同社のビジネスフローを分かりやすく述べた点です。
同社は、一般の方には馴染みの薄い研修を提供していることから、研修を導入する企業へのアプローチから研修開催、アフターフォローまでを読み手が分かりやすくなるように図表化し、冒頭に盛り込みました。
まずは、これを理解してもらわないことには、その後にどんな素晴らしいことを書いても読み手の理解は深まりにくいので、該当する事業者は参考にしていただければと思います。
2.小規模事業者持続化補助金の計画書作成をサポートします
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