2021年に募集が始まった小規模事業者持続化補助金<低感染リスク型ビジネス枠>は、前年に創設された<コロナ特別対応型>に代わるものであり、販路開拓等に要する費用の4分の3、上限100万円を補助するものです。
<低感染リスク型ビジネス枠>の特徴は、補助金を使って行う事業(補助事業)の実施により「対人接触機会の減少」が実現できること、その補助事業が「新たな取組」であることが求められている点です。
ただし、応募の際に作成する計画書のフォーマットに大きな変更はありません。そこで、当コラムでは「対人接触機会の減少」「新たな取組」に該当し、<コロナ特別対応型>に採択された機械販売業の事例を通じて<低感染リスク型ビジネス枠>の採択ポイントをご紹介していきます。
同社は、コロナ禍で対面営業を自粛せざるを得なくなり、売上が減少してしまいました。そのため、インターネットを活用した営業を行っていくこととし、小規模事業者持続化補助金<コロナ特別対応型>を活用して、(1)ホームページの立上げ、(2)web広告の実施、(3)SEO対策を行いたいと考えました。
なお、SEO(Search Engine Optimization)対策とは、検索エンジン最適化とも呼ばれ、ネット上の検索結果において、自社サイトが上位表示されるようにする対策のことを指します。
これらの取組みを行うこととした同社が作成した計画書を弊社が添削し、それを受けて同社は計画書をブラッシュアップして応募した結果、当補助金に採択されたわけですが、そのブラッシュアップのプロセスをご紹介していきます。今回は<経営計画> 「1.自社の事業概要」に該当する部分を見ていきます。
1.「自社の事業概要」の書き方
(1)構成を検討する
同社が当欄へ事前に記載してこられた内容を拝見すると、[沿革]、[経営方針]、[目標]、[自社の販売する製品について]、[売上構成]、[自社の強み]、[顧客ニーズと市場の動向]という見出しが設けられていました。
これらの見出しは、小規模事業者持続化補助金<一般型>の様式を参考にしたことは想像に難くありませんが、「自社の事業概要」という1つの欄に設ける見出しの量としては多すぎの印象があり、冗長になってしまうリスクがあると感じました。
そこで、【沿革】、【内部環境】、【外部環境】、【経営方針・目標のプラン】と4つの見出しにまとめていただき、【沿革】に[沿革]・[売上構成]の内容を、【内部環境】に[自社の販売する製品について]・[自社の強み]の内容を、【外部環境】に[顧客ニーズと市場の動向]の内容を、【経営方針・目標と今後のプラン】に[経営方針]・[目標]の内容を記載していただきました。
(2)競合他社の情報を盛り込む
自社の強みは、なぜ強みと言えるのかというと競合よりも優れているからのはずです。よって、競合の動向を記載することで、自社の強みについて説得力が向上することとなります。
同社は外部環境として、顧客ニーズと市場の動向を盛り込んでいましたが、市場の動向として競合に関する記載がほとんどありませんでした。よって、競合他社の社名、住所、URL、自社から見た特徴を一覧表にして盛り込んでいただきました。
(3)顧客ニーズをグルーピングする
同社は顧客ニーズを多数列挙していましたが、読み手の理解を促すにはグルーピングすることが重要であり、弊社では、「Quality (品質)」「Cost(費用、価格)」「Delivery(納期)」というQCDの観点からの切り分けをお勧めしています。
ですが、同社の場合、製品別のニーズに切り分けた方が自然と判断し、「提供する機械に対するニーズ」と「提供した機械から生産される製品に対するニーズ」というグルーピングをしていただきました。
このようにして「1.自社の事業概要」をブラッシュアップしましたが、次回は「2.新型コロナウイルス感染症の影響・既に取り組んでいる対策」について見ていきます。
2.小規模事業者持続化補助金の計画書作成をサポートします
弊社の1,000件を超える支援実績を通じて蓄積してきたノウハウを活用して、計画書作成のサポートを行い、採択の可能性を高めます。詳しくはこちらから↓↓↓
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