定休日を設定する必要性を不安無く判断するための方法とは

経営の姿勢

定休日がないから業績が厳しいのかも?

 昨年夏の全国高校野球選手権大会で巻き起こった金足フィーバーの中心選手であり、プロ野球日本ハムファイターズへドラフト1位で入団した吉田輝星投手が、かつての甲子園優勝投手である斎藤佑樹投手からアドバイスを受けたことが報道されています。

 そのアドバイスとは「嫌でも休め」というオンとオフの切り替えの重要性を示したものでした。

 駐車場付きの路面店である、ロードサイド店舗の中には、定休日を設けず、つまり店舗のオンとオフの切り替えをせず、年中無休で営業しているところもあります。ネット通販の普及や大手ショッピングセンターの進出により、業績が厳しければ、さらに営業時間を増やして対応しようと考える経営者も多いかもしれません。

 ですが、そのことが却って業績を厳しくしている可能性があることに気付かなければなりません。

疲れた印象の飲食店

 かつて、弊社がご支援したある飲食店は、年中無休の営業で経営者とアルバイトスタッフ数名で切り盛りしていました。比較的暇な月曜と火曜の営業時間がやや短いだけであり、それ以外は11:00~23:00までの営業時間でした。

 私が、初めてこの店舗へお邪魔した際の印象は「疲れているなぁ」でした。それは、駐車場の散らかり具合や店舗の外観、店内の掲示物、清掃状況など総合的な印象です。

 さらに、メールマガジンなどインターネットを使った情報提供の仕組みは整えていたものの、その情報提供自体は滞っていました。その理由を伺うと「ネタが無い」とのこと。

 このような場合、店舗の清掃、掲示物の刷新、提供する情報のネタ探し、などを理由に定休日を設ける必要があるのかもしれませんが、経営者としては、定休日には売上がなくなる不安から二の足を踏むわけです。

 定休日を設定する必要性を検討する場合、どのように意思決定をすればよいのでしょうか。

メリットとデメリットを両面から考える

 定休日を導入することにより、予想されるメリットとデメリットがあります。多くの場合、これらを検討し、メリットが大きければ定休日を導入し、デメリットの方が大きければ定休日を導入しない、という意思決定をしようとします。

 ですが、これだけの材料では、正確な意思決定ができる可能性は高くありません。この場合、検討するべき視点は、以下の4つとなります。

 ①定休日を導入するメリット  ②定休日を導入するデメリット
 ③定休日を導入しないメリット ④定休日を導入しないデメリット

 この①から④それぞれに該当すると思われることを思いつくまま、ランダムに書いていきます。部下を巻き込んで意見を聞いてもよいでしょう。また、売上が減る、ということであればどれくらい減るのか数値的な根拠も示しましょう。

 そのようにして①~④の内容を書いて書いて書き切ったら、①と④の内容、そして②と③の内容が、裏表の関係になっているかを検討します。それら全てが裏表の関係になっていれば、抜け漏れなく検討できたことになりますし、そうでない場合は抜け漏れがありますから、これを無くすべく再検討をした上で意思決定を行います。

 意思決定が難しい場合の多くは、情報不足です。手元の情報に抜け漏れがあるのではないか、という不安が意思決定を困難にさせます。よって、上記のような視点から抜け漏れなく情報を集めることができれば、意思決定は容易になるとともに、その後の成果に結び付きやすくなるでしょう。

 定休日を設定する必要性を不安無く判断するための方法とは、単に定休日を設定するメリットとデメリットを比較するだけでなく、定休日を設定しないメリットとデメリットを洗い出すこと、そして、それらが裏表の関係になっているかどうかを確認することもそのひとつと考えますがいかがでしょうか。

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