雨が降るとガソリンスタンドの業務量はグッと減ります。顧客としては、そもそも雨の日に外出したくないので客数が落ちますし、仮にガソリンスタンドへ入店しても洗車サービスは、ほぼ購入しないわけで、客単価も下がるのが通常の姿です。
そもそも、一般的にガソリンスタンド経営は雨が降らなくても厳しいことは周知の事実です。経済産業省は、平成26年3月31日に全国で34,706軒あったガソリンスタンドが、平成31年3月31日現在では30,747軒と5年間で約4,000軒が減少したと発表しています。
今回のコラムでは、そのような状況で生き残るために、油外商品が売れにくい梅雨の時期を克服していく方策を見ていきます。
1.梅雨でも油外商品が売れるガソリンスタンドのアプローチとは
(1)雨の日に売れるもの
雨の日のコンビニは傘が売れます。そこで雨の日は傘の売り場を入口のそばに変更するコンビニもあります。これで勝手に売れていくわけです。
では、雨の日のガソリンスタンドは何が売れるのかというと、ワイパー、フロントガラスの油膜取り・コーティング、タイヤなどが挙げられます。しかし、これらの油外商品が勝手に売れていく印象はなく、販売していくにはスタッフのアプローチが必要と考えられます。そして、次に示す法則に基づくアプローチは売れる可能性を高めます。
(2)PASONAの法則
PASONA(パソナ)の法則とは、以下に示す5つの単語の頭文字を組み合わせた造語で、顧客に商品やサービスを案内する紹介文を書くときのテクニックです。
- Problem(問題):問題点を明確化する
- Agitation(扇動):問題点をあおり立てる
- Solution(解決策):解決策を示す
- Narrow down(絞込):対象客や期間を限定する
- Action(行動):行動を呼びかける
これをワイパーを販売するスタッフのトークに当てはめてみます。
- Problem(問題)「雨の日の運転中、前が見えにくくないですか?」
- Agitation(扇動)「高齢者の事故とかも増えてますしね、怖いですよね。」
- Solution(解決策)「このワイパーのゴムが切れているのが、見えにくさの原因なんでしょうね。交換をお勧めします。」
- Narrow down(絞込)「6月中はワイパーが10%オフなんです。」
- Action(行動)「5分ほどで交換が終わりますが、いかがですか?」
単に「ワイパーのゴムが切れてますが、交換いかがですか」よりも成約の可能性が高いことが見て取れます。次にタイヤを例にとります。
- Problem(問題)「雨の日の運転中、タイヤが滑ったことはないですか?」
- Agitation(扇動)「雨の日に事故が発生する確率は、晴れた日の4倍になるんだそうです。怖いですよね。」
- Solution(解決策)「これくらい摩耗したタイヤだと滑りやすいでしょうね。交換をお勧めします。」
- Narrow down(絞込)「当店は、このタイヤだったらそこの大手タイヤ量販店より安いんです。」
- Action(行動)「さらに端数も切らせていただきますが、交換いかがですか?」
単に「タイヤの溝が減ってますが、交換いかがですか」よりも成約の可能性が高いことが見て取れます。ちなみに、雨天の事故発生率が晴れの日の4倍になることは、首都高速道路株式会社が発表しています。嘘によるあおり立ては商道徳から外れた行為ですので信頼出来る情報を提供しましょう。
(3)油外販売以外での活用
実は、このコラムもPASONAの法則を使っています。要約すると以下になります。
- Problem(問題)「雨の日のガソリンスタンドは暇ですよね。」
- Agitation(扇動)「廃業してしまうガソリンスタンドも5年間で4,000軒に上っています。」
- Solution(解決策)「PASONAの法則を使って販売してみませんか?」
- Narrow down(絞込)「例えばワイパーの販売だったら、こんな使い方になります。」
- Action(行動)「このコラムを読んだ方は、メルマガの登録でさらに色々な売り方が分かりますよ。」
こんな形で様々な場面に応用が可能ですので、ぜひ使ってみてください。
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