10数年ぶりの再会
私は、21年間ガソリンスタンドの現場に身を置いてきましたが、21年間のうち16年間を過ごした会社は首都圏で複数のガソリンスタンドを展開する会社でした。よって、複数の店長が存在するわけですが、その中に、ある古参店長がおりました。
私よりも年下の方でしたが、私よりもずっと社歴の長い方で、私が異動で離れる店舗の後任になったり、また、その後同じエリアに立地する店舗の店長職をお互いに務めたりするなど、何かとご縁があり、店長会議の後などにサシ飲みをしたことも1度や2度ではありません。
彼はその会社を辞め、現在、実家のある地方都市で暮らしていますが、先日、私はその地方都市で仕事をする機会に恵まれ、彼と10数年ぶりに会うことができました。
別れ際に投げかけられた言葉
彼に、私が宿泊するホテルへ迎えに来ていただき、そこから徒歩数分の居酒屋に入りました。 昔話に花が咲くこと数時間、翌日が早いということもあり、お開きにすることとしたのですが、私をホテルに送っていくと言って聞かない彼とホテルまで歩いていた時に、彼が言いました。
「会えただけで良かった」
色々な昔話に花を咲かせることができ、美味しいお酒と料理を楽しむことができても、彼にとって価値があったのは、ありがたいことに私と「会えたこと」だと言うのです。
会わなければ始まらない
かつてロードサイド店舗は、嵩張る商品や重い商品を買うために顧客は車で来店していました。しかし、ネット通販の普及により、そのような買物の仕方をする顧客はどんどん減り、ロードサイド店舗は苦境に陥っているケースが多いという印象があります。
よって、まずは、顧客の来店を促さなければなりません。来てもらわなければ購買にも繋がりませんし、いくら客単価向上や再来店の施策を打ってみても始まらないのです。
ですから、買う買わないの前に、来てくれたことが重要であり、それだけで感謝しなければならないのです。よく「ご来店ありがとうございます」と言いますが、貴店のスタッフは前述の彼同様、顧客と「会えただけで良かった」と本当に思っているでしょうか。
まずは出会いに感謝。これが、うまくいかないときに検討したい商売の基本的な心得と考えますが、いかがでしょうか。
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