呉服店が売上向上のために経営革新計画に取り組むべき3つの理由

経営革新計画

 弊社は2か月前から、ある呉服店のご支援をしていますが、このご支援で最初に達成したい目標は「経営革新計画の承認取得」であり、この認識のもと、経営者とのご面談を重ねています。

 経営革新計画の承認とは、事業者が打ち立てた新規事業の計画を都道府県が審査し、各都道府県知事が承認する制度であり、弊社は通算で130以上の経営革新計画の承認取得ご支援を手掛けてきました。

 事業者における経営革新計画の承認取得のメリットとして、低利融資や特許料の減免などが挙げられますが、弊社がご支援している呉服店は、これらのメリットではないメリットを活用するべく経営革新計画の承認取得に取り組んでいます。そこで、今回のコラムでは、なぜ呉服店が売上向上のために経営革新計画の承認取得に取り組むべきなのかを見ていきます。

呉服店が売上向上のために経営革新計画に取り組むべき理由1:承認のハードルが高い

 行政が承認をする事業計画は、経営革新計画の他にも様々なものがありますが、経営革新計画の承認は比較的ハードルが高いと言って良いと思います。つまり、他の事業計画に比べて、新規性・実現性・採算性・社会性といった観点から厳しく審査されるということです。このことを一言で表現すると綿密な計画を立案しなければならない、ということになります。

 何となく、いい加減に作った計画も事業計画ですが、行政が掲げた高いハードルを超えることができるような新規事業の計画こそが経営革新計画であり、この承認を得るためには、真剣かつ緻密に新規事業を企画し、その展開を検討する必要があります。それは、当然のことながら成果が上がりやすい計画になります。

 特に、呉服の市場規模はピーク時の7分の1まで縮小していますので、これまでの延長線上にある事業展開では成果は上がりにくく、新規事業を打ち立て、綿密な計画を策定する必要があるでしょう。

呉服店が売上向上のために経営革新計画に取り組むべき理由2:信用度が上がる

 2018年の1月に神奈川県横浜市に本社を置く、振袖の販売・レンタル・着付け・フォトスタジオを運営していた企業が、成人の日当日に突然休業し、この企業での着付けを予約していた新成人が振り袖を着ることができなくなりました。

 これをきっかけに呉服業界の信用度を問う声が高まりましたが、経営革新計画の承認を取得した呉服店が、事業紹介をする際に、ホームページ・チラシ・パンフレットなどの告知物に「当事業は、都道府県知事の承認を取得した事業計画に基づいています」と掲載することにより、信頼度が向上する可能性が高まります。

呉服店が売上向上のために経営革新計画に取り組むべき理由3:新たな視点を得ることができる

 弊社は、呉服店のご支援を過去にも何社か手掛けたことがありますが、呉服店は基本的に業歴が長いケースが多いです。その反面、新たな視点から事業を検証したり、新事業に打って出たりする姿勢が弱いケース、古い慣習から脱却できていないケースが見受けられます。

 経営革新計画は、新規事業を打ち立てる必要があります。ここで言う新規事業とは、自社にとって初の事業であり、商圏内の競合にとっても初の事業である必要があります。そのような事業を打ち立てるには、これまでの視点とは違った視点が求められます。

 経営革新計画を作成し、その承認取得に取組むということは、そのような視点が身につきやすくなることを意味します。

 今回のコラムでは、呉服店が売上向上のために経営革新計画に取り組むべき理由として、1.承認のハードルが高い、2.信用度が上がる、3.新たな視点を得ることができる、を挙げました。

 呉服店のみならず、市場規模縮小の影響を受け、業績悪化に苦しむ事業者は、この経営革新計画の承認取得に取り組んでみてはいかがでしょうか。まずは、最寄の商工会や商工会議所にお問い合わせすることをお勧めします。もちろん、弊社にお問い合わせいただいても結構です。

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