同社は、2021年9月8日締切りの小規模事業者持続化補助金【低感染リスク型ビジネス枠】第3回受付締切分に申請したものの、不採択という結果になってしまいました。
当コラムでは、同社が記載した「【様式1】経営計画および補助事業計画」の内容をもとに不採択になった理由を検討し、どのようにすれば採択されるのか、そのポイントを何回かに分けて探っていきます。
下図は、当補助金申請時に提出する「【様式1】経営計画および補助事業計画」の構成ですが、今回のコラムでは、要注意!持続化補助金【低感染リスク型ビジネス枠】計画書の書き方③に引き続き、下図の赤枠部分<補助事業計画>「2.補助事業の内容」の書き方を見ていきます。なお、当コラムの内容は2022年1月3日時点の情報に基づいています。
1. 持続化補助金【低感染リスク型ビジネス枠】計画書の書き方[補助事業の内容編]
持続化補助金【低感染リスク型ビジネス枠】計画書の書き方[補助事業の内容編](1)端的に書く
物事を伝える際に有効な方策のひとつに「結論先出し」があります。よって「補助事業の内容」というタイトルの当欄にまず記載するべき内容は、補助金を使って何をするのかということであり、それに続けて説明を盛り込むと読み手が理解しやすくなると考えられます。
同社は、あるシステムを開発するということを記載していましたが、それが補助金を使うものなのかそうでないのかが読み取りにくい内容となっていました。もしその開発に補助金を使いたいのであれば「補助事業はシステム開発である。具体的な内容は以下の通り。」という書き出しからはじめると読み手に伝わりやすかったと考えられます。
持続化補助金【低感染リスク型ビジネス枠】計画書の書き方[補助事業の内容編](2)具体的に書く
補助事業の内容は具体的に書く必要がありますが、その理由について公募要領をもとに見ていきます。まず、小規模事業者持続化補助金【低感染リスク型ビジネス枠】の公募要領には「審査の観点」として以下の記載があります。
今回見ている<補助事業計画>「2.補助事業の内容」のポイントは、上図下線部分「補助事業計画の有効性」と解釈していますが、この具体的な内容は当公募要領には記載されておりません。そこで同補助金の【一般型】における公募要領の「審査の観点」を拝見すると「補助事業計画の有効性」として以下の記載があります。
よって「補助事業計画の有効性」を訴求するためには、この赤枠内の項目に沿った書き方をすれば良いと考えられますが、今回取り上げたのは下線部分の「補助事業計画は具体的で」という記述です。弊社ではこの条件を満たすために、いつ(When)、だれが(Who)、なにを(What)、なぜ(Why)、どこで(Where)、どのように(How)行うのかという5W1Hを明確に記載することをお勧めしています。
今回の事例企業の<補助事業計画>「2.補助事業の内容」を見ると「なぜ(Why)」その補助事業を行うのかという点は、非常に厚く書かれていました。また「いつ(When)」を示す補助事業のスケジュールも記載されていました。
ですが、それ以外のだれが(Who)、なにを(What)、どこで(Where)、どのように(How)が読み取りにくい内容になっており、これが不採択を引き寄せた理由のひとつとして考えられます。
持続化補助金【低感染リスク型ビジネス枠】計画書の書き方[補助事業の内容編](3)書くべきところに書く
前述のように同社は「なぜ(Why)」その補助事業を行うのかという点を非常に厚く書いていました。その内容には「○○という効果を得るため」というものも多数含まれていたわけですが、これについては今回見ている「2.補助事業の内容」ではなく「3.補助事業の効果」に記載するべき内容と言えるでしょう。
実施にその効果を得るためにその補助事業を行うとしても、その内容は「2.補助事業内容」には軽く記載するに留め、「3.補助事業の効果」に厚く記載するという切り分けをしないと読み手は混乱してしまい、説得力も高まらないのではないでしょうか。
今回のコラムでは、小規模事業者持続化補助金【低感染リスク型ビジネス枠】計画書の「補助事業の内容」の書き方として(1)端的に書く、(2)具体的に書く、(3)書くべきところに書く、を挙げました。次回のコラムでは<補助事業計画>「3.補助事業の効果」の書き方を今回の事例をもとに見ていきます。
なお、同社の事例を取り上げた過去のコラムは以下となります。
2.小規模事業者持続化補助金の計画書作成をサポートします
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小規模事業者持続化補助金に応募したくなる本