予約の当日キャンセルを防止する4つの方法

マーケティング

 「予約していたお客さんが来ない…」エステサロンを経営するA氏は、相次ぐ顧客の当日キャンセルに、ほとほと困り果てていました。そこで、キャンセル規約を設け、当日のキャンセルには罰金を科すことを検討していますが、本当に罰金をもらっていいものなのか、不安を抱えているという相談に触れる機会がありました。

 予約の当日キャンセルは、店舗側としては、精神的なダメージが非常に大きく、飲食店であれば、予約客の食材がロスとなってしまい、売上を得られないだけでなく、損失が出てしまいます。

 今回のコラムでは、ロードサイド店舗における、予約の当日キャンセルをいかに防ぐかを見ていきたいと思います。

予約の当日キャンセルを防止する方法1:電話で予約を確定させる

 ある美容室の話では、ネット予約と電話予約では、後者の方が圧倒的にキャンセルする顧客が少ないとのことでした。これは、ネット予約は気軽に予約ができる、という点が挙げられ、だからこそ気軽にキャンセルもできる、ということなのでしょう。

 そこで、ネットで予約を受け付けても、それはあくまでも仮予約とし、その後に電話をいただいた時点で予約確定とする仕組みにします。同じ日時に複数の予約が入っていれば、電話を先にくれた顧客の予約を確定とします。つまり、ネット上では、予約が出来る日時が分かるだけに留めておきます。

 電話のやり取りでは、サイトに入力した情報に関する確認の意味も含めて、以下を確認します。
 ・日時
 ・人数
 ・お名前(幹事名)
 ・当日連絡のつく電話番号
 ・予約内容
 ・キャンセル規約の内容

 なお、団体客の場合は、会社名や会社の電話番号を聞くとともに、席次やレイアウトの確認、ご要望を直接伺うために、前もって下見だけにでも来られることをお勧めしましょう。下見にご来店された際は、名刺を交換しておくと、当日キャンセルの確率はかなり低くなるでしょう。

予約の当日キャンセルを防止する方法2:キャンセル規約を明示する

 冒頭のエステサロンを経営する方のご質問に対する答えは「もらっていい」になります。ただし、以下の内容を明確にしたキャンセル規約を作成し、自店のホームページに掲載するとともに、電話でも伝えないとトラブルになる可能性があります。

 キャンセル料について
 ・当日にキャンセルするとキャンセル料はいくらかかるのか
 ・前日にキャンセルするとキャンセル料はいくらかかるのか
 ・2日前にキャンセルするとキャンセル料はいくらかかるのか
 ・3日以前にキャンセルするとキャンセル料はいくらかかるのか

 予約内容(人数、日時、コースなど)の変更について
 ・当日に予約内容を変更するとキャンセル料はいくらかかるのか
 ・前日に予約内容を変更するとキャンセル料はいくらかかるのか
 ・2日前に予約内容を変更するとキャンセル料はいくらかかるのか
 ・3日以前に予約内容を変更するとキャンセル料はいくらかかるのか

 実は、私がサラリーマン時代の夏休みに家族4人で温泉旅館を予約していたことがあります。ところが宿泊予定の2日前に、私の部下の家庭でトラブルがあり、行けなくなりました。この時は、事前にキャンセル規定を示されていたので、それに則ったキャンセル料をお支払いしました。

 このキャンセル規定がないまま、キャンセル料を請求されても、私は納得してお支払いはできなかったのではないでしょうか。

予約の当日キャンセルを防止する方法3:リマインドを行う

 当日予約キャンセルは、確信犯もいますが、うっかり忘れていたという方もいらっしゃいます。そこで、電話もしくはメールにてリマインドを行います。

 実は、数年前に、過去に何度か利用したことのある地方都市のホテルから、突然電話をいただいたことあります。「本日ご予約いただいておりますが…」とのことでしたが、私が日程を勘違いして別の日に予約を入れていたのです。

 その旨を伝えると「いつも使っていただいていますから」とキャンセル料なしで快く対応していただけましたが、ついうっかり、ということは誰にでもありえますので、キャンセル料がかからないギリギリのタイミングでのリマインドは重要と考えます。

 なお、全ての顧客にリマインドしている余裕がない、ということであれば、予約時に不安を感じた場合や、団体客に絞っても良いでしょう。

 また、有料となりますが、電話でしたら電話秘書サービス、メールでしたら予約管理システムを活用すれば漏れなくリマインドすることが可能となります。

予約の当日キャンセルを防止する方法4:事前決済をする

 インターネット上でクレジットカードを使って決済をする方法や、銀行振り込みで現金決済をする方法があります。

 事前に決済をするということは、キャンセル発生の確率が限りなく下がるだけでなく、それだけ早く入金がなされ、店舗側の資金繰りが楽になることから、割引や何らかのサービスがあっても良いと思います。

 今回のコラムでは、予約の当日キャンセル問題を防止する方法として、1.電話で予約を確定させる、2.キャンセル規約を明示する、3.リマインドを行う、4.事前決済をする、を挙げました。

 当日キャンセルするのは顧客が悪いと考えるだけではなく、キャンセルしやすい店になっていないかと自問することが重要です。今回のコラムを参考に、当日のキャンセルをしにくい仕組みを作っていただけたらと思います。

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