以前、「残念なガソリンスタンド事典」として、ガソリンスタンドの運営会社において残念なキャラクターの経営者や管理職を取り上げましたが、今回はこの管理職に焦点を当て、残念なガソリンスタンドの店長に共通する特徴を見ていきます。ちなみに今回のコラムには、元ガソリンスタンド店長として、多少どころか、かなり自戒の念が込められています。
残念なガソリンスタンドの店長1:モチベーションの上げ方が分からない
ガソリンスタンドで取り扱う商品のほとんどは、顧客の目に直接触れません。ガソリンは車両の燃料タンクに差し込まれたノズルから吐き出され、タンク内に溜まっていきます。ガソリンを買って来たからといって、部屋に飾ってそれを眺めて悦に入るというものではありません。
ガソリン以外の商品にしても同様です。例えばエンジンオイルであれば、オイル交換作業を間近で見たり、オイル交換後に顧客が自分でエンジンオイルを見たりしない限り、目に触れません。
よって、商品力で他店と差別化することは困難であり、価格で差別化しようとすれば利益が削られ、立地は一旦ガソリンスタンドを立ててしまえば変えることはできません。よって、人材で差別化する必要があります。
人材で差別化する際のポイントに、モチベーションがあります。それが高ければ熱心に仕事をしますから、現時点で多少スキルが低くても、いずれ向上してくるものです。よって、モチベーションの上げ方を知らない店長は残念な店長と言えます。なお、モチベーションの上げ方は以下のコラム参考にして下さい。
ベテラン社員のモチベーション
上司が発してはいけない油外販売のモチベーションを下げる言葉
残念なガソリンスタンドの店長2:状況に応じたリーダーシップがとれない
店長経験が浅い段階で、たまたま業績を上げることに成功してしまうと、その店長はその際に発揮したリーダーシップが絶対的なものになってしまいます。それは、状況が変わっても自分が発揮してきたリーダーシップに依存しやすくなり、新たな状況の中では成功する可能性を低いものにしてしまいます。そこで、状況に応じた最適なリーダーシップを理解し、実行することが重要となります。状況に応じたリーダーシップについては以下のコラム参考にして下さい。
具体的な行動に基づくリーダーシップ
残念なガソリンスタンドの店長3:部下の話を聞かない
ガソリンスタンドの店長は、自分の意見が店内で一番正しいと思っており、持論を展開するのが好きな人が多いという印象があります。それは部下の話に耳を傾けないことと表裏一体です。
このことは、部下をリスペクトしていないということに通じ、結果として部下の不満足度が大きくなり、店内の統率がとれないばかりか、離職率を高めてしまいます。そこで傾聴のスキルが必要になってきますが、具体的には以下のコラムを参考にして下さい。
クレーム発生時における傾聴の効果
傾聴力とリーダーシップ
残念なガソリンスタンドの店長4:マニュアル接客に依存する
マニュアルを定めることは仕事の標準化に繋がり、それは従業員満足の向上を通じて顧客満足へ昇華します。ですが、顧客は生身の人間ですから、マニュアル接客だけに依存しているとちぐはぐな接客になるリスクも考えなければいけません。
顧客の心を動かすことこそ販売に繋がるわけで、マニュアルを定めつつも、マニュアルを超えた対応をするために、店長が店舗の方針や存在意義を定め、判断の基準を作っておく必要があります。
今回のコラムでは、残念なガソリンスタンド店長として、1.モチベーションの上げ方が分からない、2.状況に応じたリーダーシップがとれない、3.部下の話を聞かない、4.マニュアル接客に依存する、を挙げました。
店長の上司や経営者が客観的な視点で、店長がこれらの残念なパターンに陥っていないか、また、知識不足であればそれを補う取組みが必要です。
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